MPPT方式

 MPPT(Maximum Power Point Tracking)方式とは和訳すると最大電力点追従となり、その名の示す通り、気象条件等の変化で常に変動する最適動作点に追従しながら動作する機能です。

 MPPT方式の制御機能は、独立型太陽光発電システム用の充放電コントローラーだけでなく、系統連系型太陽光発電システム用のパワーコンディショナーにも搭載されており、基本的にはどちらも同じ動作原理です。

 MPPT方式の充放電コントローラー(昇圧型)は以下のような構成になっています。

MPPT方式の充放電制御回路(昇圧型)

MPPT方式の動作原理

 MPPT方式の制御方法にはいろいろなものが提案されていますが、一般的に用いられている山登り法(Hill Climbing Method)のフローチャートは以下のようになります。

山登り法の動作フローチャート

フローチャートの解説

  • 下のP-V曲線で、山登り法の制御開始時点の状態が電圧=V0、電力=P0であったとすると、まず電圧を⊿Vだけ増加させV1とします。
  • 電圧V1での電力P1でP0よりも大きいため⊿Vの符号は変更せず、電圧をさらに⊿Vだけ増加させV2とします。
  • 電圧V2での電力P2もP1よりも大きいため⊿Vの符号は変更せず、再度、電圧を⊿Vだけ増加させV3とします。
  • ここで、電圧V3での電力P3がP2よりも小さくなる為、⊿Vの符号を反転し、電圧を⊿Vだけ減少させてV2とします。
  • この後は気象条件の変化等でP-V曲線の変化が起きるまでの間、電圧がV1、V3に到達するたびに⊿Vの符号が反転し、V1とV3の間を行き来することになります。
山登り法の動作解説用P-V曲線

MPPT方式の長所

 PWM方式の充放電コントローラーなどと比較して、MPPT方式の充放電コントローラーは以下のような長所を持っています。

  • それぞれの気象条件下で太陽電池から最大の電力を取り出すことができる。

MPPT方式の短所

 発電効率の最大化が可能なMPPT方式の充放電コントローラーですが、以下のような短所も持っています。

  • PWM方式と比較してコストが高くなる。
  • 現在主流の山登り法の制御では、太陽電池に部分的な影が発生しP-V曲線上にピークが2つできた場合に、最適動作点に到達できない場合がある。

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