太陽光発電とは
太陽光発電とは、太陽電池を用いて電力を得る仕組みのことであり、「JIS C 8960 太陽光発電用語」の定義では、「太陽光のエネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電方式。光起電力効果を利用した太陽電池を用いるのが一般的である。」とされています。
一般的には『ソーラー発電』や、英語の「Photovoltaic Power Generation」のPhotovoltaicを略した『PV』と呼ばれることもあります。
また、太陽電池にパワーコンディショナーや蓄電池などの周辺設備を組み合わせた太陽光発電システムも、これらと同じ意味として使われることがあります。
本サイトでは太陽電池の原理や、パワーコンディショナーなどの周辺機器の機能の説明を通じて、太陽光発電の仕組みを紹介していきます。
太陽光発電システムとは
太陽光発電システムという用語は、「JIS」には定義されていませんが、一般的に「太陽電池とパワーコンディショナーや蓄電池などの周辺設備とを組み合わせ、太陽光のエネルギーから変換された電力を使用目的に適した形で取りだすためのシステム」といった意味合いで使用されています。
英語の「Photovoltaic Power Generation System」から略して『PVシステム』とも呼ばれます。
系統連系型と独立型の2つの種類がある
太陽光発電システムは送電網への接続の有無により「系統連系型」と「独立型」の2つに大別することができ、それぞれ以下の様な特徴を持っています。
電力系統に接続された系統連系型
住宅やビルの屋上に太陽光発電システムを設置する場合、それらを電力会社からの送電網と接続(系統連系)するのが一般的です。
この送電網と接続により、日中に太陽電池から建物内で使用するよりも多くの電力が得られる場合にはこれを電力会社へ販売し、反対に夜間や雨の日などに太陽電池からの電力では建物内での使用電力をまかなえない場合には送電網を通じて不足分を購入して使用することが可能となります。
このような電力会社の送電網と連結されたものを「系統連系型太陽光発電システム」と呼びます。
電力系統に接続できない・接続しにくい場所で使用される独立型
国際宇宙ステーションの太陽電池パドル
画像提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
独立型太陽光発電システムを備えた能取岬灯台
系統連係型に対して、送電網と接続せずに太陽電池の電力のみで機器を稼働させるものを「独立型太陽光発電システム」と呼びます。
この独立型は日本などの先進国では産業用途で用いられることが多く、人工衛星などの宇宙用電源をはじめ、工場や農業・畜産・漁業の分野や、送電網の整備されていない灯台や気象観測所における電力源として利用されています。
送電網の整備された都市部においても時計や街路照明、道路標識などに小型の独立型システムが利用されています。
また、途上国を中心に世界中に多数存在する電気の引かれていない無電化地域においては、蓄電池を備えた独立型の太陽光発電システムで電力を供給し、その地域に住む人々の生活の質の向上に役立てる取り組みが行われています。
災害で力を発揮した独立型
系統連系型、独立型それぞれの仕組みについては太陽光発電システムの項目で詳しく紹介しています。