多接合型(ハイブリッド型)太陽電池の特徴

 異なる性質の太陽電池を重ね合わせて作られる太陽電池を、多接合型太陽電池と呼びます。

 この多接合型太陽電池は、ハイブリッド型太陽電池やタンデム型太陽電池とも呼ばれます。

多接合型(ハイブリッド型)太陽電池の特徴

 太陽電池を重ね合わせて多接合型にする目的は、エネルギーバンドギャップの異なる太陽電池を重ね合わせて層状にすることにより、全体として吸収できる光の波長域(感度帯域)を拡げることにあります。

 感度帯域が拡がることにより、幅広い波長域の太陽光を利用できるようになり、変換効率が単独の太陽電池のそれよりも高まります。

多接合型(ハイブリッド型)太陽電池の例

カネカ製薄膜シリコンハイブリッド太陽電池
画像提供:NEDO

 さまざまな組み合わせによる多接合型太陽電池が研究されていますが、現在実用化されている多接合型太陽電池の例としてカネカの開発した薄膜シリコンハイブリッド太陽電池を紹介します。

薄膜シリコンハイブリッド太陽電池 - カネカ

 カネカの開発した薄膜シリコンハイブリッド太陽電池は、アモルファスシリコンと薄膜多結晶シリコンの2層で構成された多接合太陽電池で、断面の構造は上の図のようになっています。

 入射した太陽光のうち短波長側の光(青~緑)は大きなエネルギーバンドギャップを持つアモルファスシリコン層で吸収され電気に変換されます。

 アモルファスシリコン層で吸収されなかった長波長側の光(赤~赤外光)は、小さめのエネルギーバンドギャップを持つ薄膜多結晶シリコン層で吸収されて電気に変換されます。

 なお、薄膜多結晶シリコンとは微結晶シリコンとも呼ばれ、アモルファス構造のシリコンの中に数nmという小さなサイズのシリコン結晶が無数に含まれている構造をしています。

 この薄膜多結晶シリコン(微結晶シリコン)は一部に結晶構造を含みますが、製造時にシリコンの溶融工程は不要で、材料ガス中に含まれるシランガスと水素ガスの割合を変えるだけでアモルファスシリコンと同様の製法で作ることが可能です。

このページの先頭へ