シャープ、集光型化合物3接合太陽電池セルで世界最高変換効率44.4%を達成
シャープは、レンズで集光した太陽光を電気に変換する集光型化合物3接合太陽電池セルで、世界最高変換効44.4%を達成したと発表しました。
今回発表された成果は、NEDOの「革新的太陽光発電技術研究開発」プロジェクトの一環として行われた研究によるもので、変換効率の測定は世界の太陽電池の公的測定機関の一つである、ドイツのフラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所において実施されたとのことです。
なお、世界最高変換効率が測定された際の条件は以下の通りです。
- 集光倍率:302倍
- セル面積:約0.165cm2
世界最高変換効率を達成した集光型化合物3接合太陽電池セルは、シャープが非集光での世界最高変換効率を達成したセルと同じく下記の3つの化合物半導体層を組み合わせて構成されたものです。
今回は、更に受光面と電極を繋ぐコンタクト層の幅を電極幅と同一にすることで、受光する面積が拡げられており、このことが変換効率の更なる向上につながっています。
- トップ層:InGaP(インジウムガリウムリン)
- ミドル層:GaAs(ガリウムヒ素)
- ボトム層:InGaAs(インジウムガリウムヒ素)
今回の成果を生んだ「革新的太陽光発電技術研究開発」プロジェクトでは、2014年度までに変換効率48%以上の超高効率セルを実現し、更に実用化技術の開発を行うことで2030年を目途に既存電源並みの発電コストの達成を目指しているとのことです。