ソーラーフロンティア、CIS太陽電池で変換効率19.7%を達成

 ソーラーフロンティア株式会社は、同社のCIS太陽電池でエネルギー変換効率19.7%を達成したと発表しました。
 
 この変換効率の値は、カドミウムを含まない薄膜太陽電池のセル(約0.5cm2)としての世界記録を更新するものです。

 今回、世界記録を更新したCIS太陽電池セルは、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究で開発されたもので、エネルギー変換効率の測定は産業技術総合研究所行われています。

 記録が更新される以前のカドミウムを含まない薄膜系太陽電池セルの変換効率の世界記録は、2003年に達成された18.6%であり、今回のCIS太陽電池セルの成果は従来の世界記録を1%以上更新するものとなっています。

 また、今回の世界記録達成したCIS太陽電池セルは、小面積用に開発したものではなく30cm角基板から切り出したものであり、今後の大面積化へ向けてという点でも期待の高い成果となっています。

 これまでソーラーフロンティアが採用しているCIS太陽電池の製造方法であるセレン化硫化法は量産には適している一方で、同時蒸着法により製造された太陽電池セルに変換効率の面で及ばないとされてきましたが、今回の記録はこのCIS太陽電池製造技術の常識を塗り替えるものとなりました。

 なお、カドミウムを含む薄膜系太陽電池全体としての世界記録は、ドイツのZSW社がCdSバッファ層を用いたCIS太陽電池で記録した20.3%で、今回のソーラーフロンティアのCIS太陽電池の記録は、このZSW社の記録にも迫るものとなっています。

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